「AI活用ノート」第6回です。前回は、AIが書いた文章を自分の言葉に直すときに見ている3つのことを書きました。
今回は、公開前の最後の工程、事実確認の話です。
先に結論を書くと、AIが書いた文章は、全部を疑って読むのではなく、確かめる対象を4つに絞っています。そして、確かめられなかったところは、書き方を変えるか削ります。
AIの文章に混ざりやすい不正確な情報
AIの文章は、読みやすく、言い切りもきれいです。そのぶん、間違っているところも、正しいところと同じ自信で書かれています。
混ざりやすいのは、おもに次のような情報です。
- 古い情報: 以前は正しかったが、今は変わっている仕様や料金
- よく似た別のもの: 名前や手順が、似た別のサービスや別のバージョンのものになっている
- それらしい数字: 出どころがはっきりしない割合や件数
- 存在しないリンク先: ありそうな名前のページやURL
どれも、読んでいるだけでは気づきにくいものです。文章として自然なので、違和感が出ないからです。だから「読んでおかしくないか」ではなく、「どこを確かめるか」を先に決めておくようにしています。
確かめる対象を4つに絞る
公開前に確かめているのは、次の4つです。
| 確かめるもの | 例 | 確かめ先 |
|---|---|---|
| 数字 | 料金、容量、件数、日付 | 提供元の公式ページ |
| 仕様・手順 | 設定の場所、操作の順番 | 公式のヘルプ、実際の画面 |
| 名前 | サービス名、機能名、メニュー名 | 公式サイトの表記 |
| リンク | 内部リンク、外部リンク | 実際に開いて確かめる |
逆に、考え方や感想の部分は、この確認の対象にしていません。そこは、前回書いた「自分の言葉に直す」工程で見ています。
4つに絞っているのは、全部を同じように確かめようとすると、続かないからです。間違っていたときに読者が困るもの、つまり「そのとおりにやってもうまくいかないもの」を優先しています。
リンクは、推測で書かない
4つのうち、いちばん見落としやすいのがリンクです。URLは文字が1つ違うだけで開けなくなりますが、文章として読んでいるとまず気づけません。
そのため、リンク先はAIに推測で書かせず、実際のページから取得して貼るようにしています。公開したあとにも、すべてのリンクを実際に開いて確かめます。
確かめる先は「一次情報」
確かめるときに見るのは、その情報を出している当人のページです。サービスなら提供元の公式サイトやヘルプ、制度ならそれを所管するところのページです。
まとめ記事や個人のブログは、探すときの手がかりにはなりますが、確認の根拠にはしていません。その記事自体が古いこともあるからです。AIに「確かめて」と頼むときも、どのページで確かめたのかを一緒に出してもらいます。
公式のページ同士で、書いてあることが食い違うこともあります。たとえば、料金ページとヘルプで数字が違う場合です。そのときはどちらかに決めつけず、確認できた範囲だけを書くようにしています。
裏が取れないときは、書き方を変える
確かめても、はっきりしないことはあります。そのときは、無理に言い切らず、書き方を変えます。
| やり方 | 書き方の例 |
|---|---|
| 言い切らない | 「必ず〜です」→「〜の場合があります」 |
| 時点を書く | 「記事を書いた時点では〜でした」 |
| 範囲を限定する | 「自分の環境では〜でした」 |
| 削る | 記事の本筋に影響しなければ、書かない |
迷ったときは、削ることを選んでいます。記事から一文減っても読者はほとんど困りませんが、間違った一文があると、記事全体が信用されなくなります。
公開したあとも確かめる
事実確認は、公開したら終わりではありません。
公開直後には、実際のページでリンクが開けるか、表や画像が崩れていないかを見ます。下書きでは問題なくても、公開した画面で初めて気づくことがあるからです。
また、料金や仕様は、あとから変わります。変わったと気づいたときには、記事を直し、いつ何を直したかを書き添えます。古い情報がそのまま残っているのは、書いたときに間違えるのと同じです。
まとめ ― 確かめるものを決めておく
AIが書いた文章を公開する前に、次の順で確かめています。
- □ 数字は、提供元の公式ページと合っているか
- □ 仕様・手順は、公式のヘルプや実際の画面と合っているか
- □ 名前は、公式の表記どおりか
- □ リンクは、実際に開けるか
- □ 裏が取れないところは、書き方を変えるか削ったか
全部を疑って読む必要はありません。確かめるものを先に決めておくと、公開前の確認は短い時間で終わります。ここまでの回で書いてきた「構成を先に承認する」「自分の言葉に直す」に、この確認を加えたものが、今の記事作りの流れです。
次の記事
第7回では、この連載のアイキャッチ画像を、AIに毎回同じ型で作ってもらっている方法を書いています。
→ アイキャッチ画像は、毎回AIに「同じ型」で作ってもらう(AI活用ノート第7回)
シリーズ「AI活用ノート」(全8回)
- 第1回: ブログ記事は全部Claudeと書いています|個人事業主のAI活用の実務
- 第2回: 画像のアップロードだけは、AIに任せきれませんでした
- 第3回: 企画の壁打ちはChatGPT、実際の作業はClaude
- 第4回: AIに記事を書かせる前に、構成だけ先に出してもらう
- 第5回: AIの文章を、自分の言葉に直すときに見ている3つのこと
- 第6回: AIが書いた文章で、公開前に必ず確かめている4つのこと(この記事)
- 第7回: アイキャッチ画像は、毎回AIに「同じ型」で作ってもらう
- 第8回: 記事を書く前に、検索する人が知りたいことをAIと一緒に調べる


コメント